SANplusICHI

「反省しろ、まずはそれから」

痛いセックスと戒めの話

一部あまり愛が無いように見えちゃう半れいぷみたいな話なのでちょっと注意なさって…。


「いっ!あっ、あ、ハリー…っ!ぃッ、痛いっ!痛い、よ…っ!」



【マーリンの回想】

任務に失敗した、というわけではないがエグジーが足を折って帰ってきた。
脱出の際に思いがけぬ場所で敵と鉢合わせになり、咄嗟に反応して応戦したが、脱出用の足場の悪いところだった為、なんとか敵を全員撃ち殺せたが、右足の骨を折る結果となってしまった………らしい。
足を引きずって用意された車に彼が戻ると、戦闘中のアドレナリンも切れ、痛がり始めた。しかし彼はなんとか苦痛の声を上げずに、顔面蒼白になって脂汗を流しながら痛みに耐えている。

「すぐに治療室に連れてってやる。もう少しの辛抱だぞ。」
「ン…くっ…今日のドライバー、マーリンかよ…。…な、なんか、…かっこ悪いとこ、…ぅ…見せちゃったなぁ…っ」
「強がらなくていい。」

そう促すと、脂汗流れる喉が上下し、息をつき直した。そして…

「………イッデェエエエ!!!めっちゃ痛い!!!ファック!ファック!!ファック!!!あんなところに敵が居るなんて!!!あいつら上官の命令に背いてサボってやがった!!!あんな場所で!!!畜生!!!クソッタレ!!!死んじまえ!!!もう殺したけど!!!……ゼェ…ハァ…」
「………終わりか?」
「また叫ぶかも。」
「どうぞ。」
「今は今ので気が済んだ。」
「そうか。」

フッとうっかり鼻で笑ってしまうと、「笑ったな?降りる時、抱っこさせるからな。」と拗ねたように言うので「マイ・プレジャー(喜んで)」と返してやった。


キングスマンの地下基地に向かうべく、車から降りて移動する際に本当に横抱きしてやった。嫌味には間違いないが、確かに彼の足は折れている。慎重に運ぶに越したことはない。

「ちょ!マジで!?マーリン!」
「マジだ。ちゃんと捕まれ。落とすぞ。」
「もういっそ落としてよ恥ずかしい!これ恥ずかしい!」
「すぐだからじっとしてろ。そもそも、抱っこさせると言ったのはお前の方だろう?」

お互いの姿勢のせいで顔が近い。ニマリと笑ってやると、エグジーは苦虫を噛み潰したような顔で「ファック… 」と呟いた。

地下基地に到着すると、連絡を受けたハリー・ハートが神妙な顔で待ち構えていた。私たちが彼の前に現れると、エグジーを横抱きしている私を睨み殺さんばかりの目つきで見やる。

("ガラハッド"の顔ではないな…)

「あ、ハリー!」

エグジーが声を掛けると重圧の殺気が瞬時に影を潜め、心配そうな面持ちで、今だ私に抱えられたエグジーに駆け寄る。

「大丈夫か?」
「ん。大丈夫。ちょっと足やっちゃっただけだから。」

エグジーはばつが悪そうに応えた。おそらく、ハリーの期待を裏切ってしまったと思ってるのだろう。

「マーリン、世話をかけたな。代わろう。」
「え!い、いやいやいや!!!いいよ!ハリー!大丈夫だって!歩ける!歩けます! マーリン、降ろして!」

ハリーが私の代わりにエグジーを抱えようとするので、エグジーが慌てふためく。じたばたする彼をゆっくり降ろしてやると、ハリーがそれを支える。

「おいで」
「イテテ…ごめんね、ハリー。肩借りちゃって。」
「抱いて運んでやってもいいんだぞ。」
「それは勘弁しとく。」

エグジーがハハハと笑うが、おそらくハリーのは冗談ではないだろう。
去っていく2人の背中を見つめていると、またもハリー・ハートに睨まれる。手を出したわけじゃないだろうに。



+++



「痛っ!痛いって!」
「そりゃそうだ。骨が折れてるんだからな。」
「だったら病院か治療室連れてってよ!」

足を骨折したエグジーはハリーに治療室ではなく、何もない薄暗い倉庫に無理矢理連れ込まれていた。デッドスペースのようになっているのか、本当に何もないただの狭い空間だった。

骨折した箇所がジンジン痛み、熱を持ち始めた。足の痛みでエグジーの顔は今だに蒼白で、それでも耐えているせいで額からは脂汗が止めどない。

「ハリー」

名前を呼ばれるも、ハリーは無視してエグジーを後ろから覆いかぶさるように抱きしめた。ハリーに体重をかけられ、踏ん張ろうとした体が勝手に折れた足に力を入れてしまい、エグジーは痛みに喘ぐ。

「ィぎッ!!!ぐッ~~~…!」
「………」

その声を聞きながら、ハリーはエグジーの太ももに、性的な意図をもった手を這わせる。それに気付いたエグジーが慌ててその手を掴んで制止する。

「ハリー!何すんだよ!」
「分からないかね?」
「…ッ!嫌だ!やめてよ!足、折れてんだって!」

エグジーが泣きそうになりながらハリーを押し返すが、折れた片足を庇った状態ではほとんど身動きが取れず、自身を抱きかかえるハリーを支えに立つしかなかった。ハリーは後ろから回した手で、そんなエグジーのトラウザーを脱がしにかかる。

「嫌だ嫌だ嫌だ!ハリー!無理だよ本当に!頼むよ!先に治療室に連れてってよ!」

ハリーがとうとう彼の履いている下着をも脱がしきった時、エグジーは涙目になって「頼むから…足が痛いんだよ…」と嘆き、ハリーの手を制止していた両手を、諦めたように眼前の壁に付いた。

「ああ、エグジー。泣くんじゃない。君に酷いことはしない。」

これが酷いことじゃなければどんなことが彼にとって酷いことなんだろう。エグジーはそう思わざる得なかったが、もはや何かを話す気にはなれず、黙ってハリーの好きにさせることにした。

「足を閉じてくれ。」
「ぃア゛ッ…!」

ハリーはエグジーの足を掴むと、太ももをくっつけるように閉じさせた。折れた足に触られる度に激痛が走る。図らず脂汗が額から頬に伝う。ハリーは後ろから愛おしそうにそれを舐めながら、自身のトラウザーから勃起しきった陰茎を取り出し、エグジーの密着した両股の間に挿し入れる。

「…っふ…」

先端だけの抜き差しを繰り返すうちに、ハリーの息が上がっていき、エグジーの股の間で吐精する。
なんとか終わった…とりあえずこれで治療室には連れて行ってくれるだろう。非難は後でしよう。エグジーがベタベタになった自身の股を見ていると、放った精が自身の後ろの穴に塗りつけられる。

「ハリー!!!」

驚きと怒りで思わず声を張り上げた。
侵入を許さぬように括約筋を絞めようとするが、下半身のどこかに力を入れるだけで折れた箇所が痛みを訴える。抵抗と言う抵抗もできず、ハリーに後ろを解されていく。ハリーとのセックスに慣れた後ろは、簡単に2本の指を飲み込み、にゅぐにゅぐと音を立てて出し入れされる。

「ん…っ…く、ふ…ンッ」

指で内側を刺激されれば、快感を覚えさせられた体は意思とは関係なくそれを拾ってしまい、思わず甘い声が漏れ出る。

「具合がいいな。」
「あ…っ誰の、せいだと…っ」
「私以外だとそいつを殺そう。」
「…っ!アッ!アッ!」

エグジーの中に収まったハリーの指が前立腺部分を刺激するとエグジーが甲高い声を上げた。本格的に立ってられなくなりそうだとエグジーが思った瞬間、心でも読んだのか、指を抜いてエグジーを回転させ対面の体勢にさせた。そして「肩へ」と言ってエグジーの腕を自分の肩に促す。

「…マジかよ。ホントにすンの?」
「悪いな。」
「ホントにそれ思ってる?俺、足折れてんだけど。」
「知ってる。」
「でしょうね!マジで痛いんだよ。ホント立ってられな」

エグジーが言い終らないうちに彼の口をハリー自身の口で塞いでしまう。ハリーから逃げようとする舌を舌で捕まえ、絡ませ、咥内に誘導し、歯で甘噛みする。

「んっ…~ふンっ…んっ」

混ざりあった唾液がエグジーの顎を伝い落ちる。
ハリーがエグジーの折れた右足を左手で抱え上げ、足を開かせる。エグジーは骨折を刺激される痛みに、塞がれた口の中で「うっあっ」と喘ぐが、こちらの足で立たされるよりはマシだと思い、ハリーの好きにさせた。
空いた右手がエグジーの臀部を這い、彼の体を支えながら指だけで後ろの穴を挿入しやすいように広げる。そしてチュッとキスするように穴に陰茎を宛がう。

「ンぁ…あ、だめ、ハリー…」

ちゅるっと音を立てながらエグジーはなんとかハリーから口を離し、最後の抵抗を口にするが、黒目が涙の海に揺蕩う。ハリーはそれに煽られて、ゆっくりと挿し入れていく。

「あっあっ入っちゃ…ハリー、あっ、足、支えられな、…んんっ!」

ずぷんっ!と一気に貫かれるも、慣れたそこは痛みよりも快感が勝つ。
しかし、ゆさゆさ揺すられる度に折れた足まで振動がいってしまい、じわじわと快感がまた違った痛みに侵略される。

「ああぁ…あっ…んっ、い、痛いよ…足、…んっ」
「少し…怒っている。」
「…っ…うん…」
「君の愛らしい足が傷つけられた。私の知らぬところで。」
「…あっ…はっ…」
「それだけでも腹立たしかったのに、君はマーリンに…あんな運び方を許した。」
「………ごめん、なさい、…ハリー…んっ…」

エグジーは正面にあるハリーの顔にチュッチュッと啄むだけのキスを施す。
まるで自分を甘やかしているようだとハリーは思った。おそらくその通りだろう。ハリーは、さすがに大人げなかったと自身の行動を省みる。

「君は…、私を扱うのが上手いな…」

ハリーがエグジーの体を支えながら、壁を伝ってゆっくり床に押し倒す。

「これで足は辛くないか?」
「…っん…大丈夫…」


その後、エグジーだけ射精させて終わらせたのはハリーの自戒の為だった。
エグジーが酷い怪我をしていたにも関わらず、戒めさせようなんて思っていた自分に、エグジーはそれでもハリーの気持ちを察して謝ったのだ。一体、どちらの方が大人なのか。大事にしたいのに傷つけたいなど、若さを理由にできる歳でもない。


明らかに事後であると分かり易いエグジーを治療室に連れて行くと、医師にジロリと睨まれたが、それもまた戒めだとハリーは内心で猛省しておいた。




2015年11月10日